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26.05.14

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大手小売チェーン向けクーポンアプリの引き継ぎおよび最適化

プロジェクト概要

日本のアウトソースパートナーを通じて、大手小売チェーン向けクーポンアプリの保守・最適化プロジェクトを引き継ぎ、実施しました。本システムは、ドキュメントが一切存在せず、コードベースの標準化も不十分で、かつ前任のデベロップメントチームが完全に離脱しているという極めて困難な状況で譲渡されました。 当社は、準備期間を設けず現状のままシステムを引き継ぐことで、運用の安定化を迅速に実現しました。その結果、エンドユーザーの体験(UX)を向上させるとともに、パートナー企業が最終顧客との協力関係を拡大するための強固な基盤を構築しました。

 

技術スタックおよび開発ツール

◆プログラミング言語: Java (Android), Swift (iOS)
◆バックエンドフレームワーク: Spring Boot
◆データベース: MySQL
◆タスク管理ツール: Backlog
◆コミュニケーションツール: Slack / Zoom

お客様の課題

ドキュメントおよび引き継ぎ事項が皆無な状態でのシステム承継

前任チームの離脱に伴い、システムに関するあらゆるナレッジが消失していました。設計書や業務フローの説明、技術的な意思決定の記録も残っておらず、コードベースにはロジックの断片化が散見されました。具体的には、ビジネスロジックがサービス層を介さずコントローラーに直接記述されていたり、設定値が共通化されずハードコードされていたりする箇所が多く存在しました。実店舗で毎日利用されるアプリにおいて、担当者不在の状況は、運用リスクを日々増大させていました。

開発の中断による時間的プレッシャーとビジネスリスク

パートナー企業には、新たな人員をゼロから採用し教育する余裕はありませんでした。クーポンアプリの不具合は、店舗での購買体験に直結するため、わずかなトラブルでも最終顧客である小売チェーンからの信頼を損なう恐れがありました。彼らが求めていたのは、準備期間を必要とせず、指示を待たずに即座にシステムを把握し運用できる「エンジニアリングパートナー」でした。

お客様の要望

サービスを停止させることなく、即座にシステムを引き継ぎ・運用すること

移管プロセスにおいて、いかなるサービスの停止も許されませんでした。実際のシステムから仕様を読み解き、業務ロジックを自ら特定し、学習期間を設けずにチケット対応を開始できる体制が求められました。

エンドユーザーへの影響度に基づいた優先順位の策定と対応

システム全体を順次処理するのではなく、各モジュールがエンドユーザー体験に与える影響を主体的に評価し、適切な優先順位を提案することが期待されました。単なる技術的な最適化ではなく、ビジネス価値に直結する改善が重視されました。

常時監視を必要としない、自律的な実行責任の完遂

パートナー企業は、最終顧客との関係維持・発展に注力する必要がありました。そのため、仕様が不明確な部分であっても、分析、技術選定、実装までを完全に自律して行い、パートナー側の工数を最小限に抑えることが必須条件でした。

当社のご提案とアプローチ

短期間でのコードベース全解析とシステムロジックの再構築

担当者不在の期間を作らないよう、プロジェクト開始直後の2日間でコードベースの全容を体系的に分析しました。APIエンドポイントからデータベース層までの処理フローを追跡し、モジュール間の依存関係を可視化。コントローラー層に埋め込まれたビジネスロジックを特定し、すべて内部ドキュメントとして再整備しました。これにより、ブラックボックス化していたシステムを拡張・保守可能なプラットフォームへと再生させ、パートナー側による説明の手間を一切省きました。

バーコードモジュールを最優先事項とし、実影響に基づき最適化

顧客体験への影響を分析し、店舗での決済に直結する「バーコード生成・認証モジュール」を最優先対応項目に設定しました。解析の結果、例外処理の不備により、本来無効であるはずのバーコードがアプリ層で受理されてしまうバグを発見し、修正。さらにバリデーション層を共通化し、取引フロー全体の整合性を確保しました。併せて、アプリ内での直感的な操作ガイドを提案・実装することで、単なる運用ツールから顧客価値を高める接点へとアプリを進化させました。

分析・意思決定・実装における完全な自律性の発揮

依頼されたチケットの消化に留まらず、潜在的なリスクを事前に検知し、未然に防ぐための提案を積極的に行いました。仕様が未定義の部分については、現行システムの挙動とデータベース内の実データから業務ロジックを推論し、最適なソリューションを定義しました。技術的な問題が発生した際も、根本原因の特定から代替案の提示までを迅速に行うことで、パートナー側の進捗確認の手間をゼロにし、期待以上の成果を維持しました。

成果

アプリの運用状態は安定し、ユーザー体験も目に見えて改善されました。 何より、今回の成果を通じて小売チェーンからの信頼が深まり、パートナー企業にとっての新たなビジネスチャンスへと繋がりました。具体的には、同チェーンのエコシステム内にある他の全アプリシリーズの引き継ぎも受注し、新たな業務量に対応するためのチーム規模拡大を実現しました。

実行フェーズを完全に当社に任せることで、パートナー企業は本来のミッションである「最終顧客との長期的な関係強化とビジネスの拡大」に専念することが可能となりました。