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【わかりそうでわからない】SESについて徹底解説!
インターネットが普及したことで近年IT業界では、業務委託という仕事の受注契約が広がってきました。
IT業界における契約形態にSESというものがありますが、具体的にどのような契約なのかわからない、説明できない人も多いのではないでしょうか?
そこで今回はSES(System Engineering Service)の意味や契約の内容について解説します!
もくじ
SESって何?
SESとは、System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)の略称で、IT業界における契約形態の一つです。ソフトウェアやシステム開発・運用・保守における委託契約の一種であり、簡単にいうと「特定の業務に対して技術者の労働を提供する契約」です。
例えば、システム担当者が「システム開発・運営のためにITエンジニアを雇いたい」と考えた時、エンジニアを抱える企業に依頼して、ITエンジニアを自社に派遣してもらいます。派遣されたエンジニアの技術力や労働力を提供してもらうことが、SESという契約形態です。
SES契約で派遣されたエンジニアはクライアントの企業に常駐し、クライアントはエンジニアの作業時間に対して報酬を支払います。作業時間に対して賃金を支払うため、成果物を完成させる義務は問われません。
労働力の提供と報酬に関しては労働派遣契約と同じですが、SESで派遣されたエンジニアの指揮権はSES企業側にあるという点で違いがあります。
【クライアント側】SESの3つのメリット
SES契約において、クライアント側には3つのメリットがあります。
・自社が求めるエンジニアを確保できる ・教育や研修にかかるコストを削減できる ・常駐案件の発注がしやすい |
自社が求めるエンジニアを確保しやすく、教育や研修にかかるコストを削減できることはメリットです!円滑なシステム開発や運営を行うには技術を持ったエンジニアの存在が必要不可欠であり、常駐案件の発注がしやすいこともSESの魅力となります。
では3つのメリットについて詳細を説明します。
・自社が求めるエンジニアを確保できる
自社内でエンジニアを育成しなくても、エンジニアの派遣を担うSES企業に依頼することで、
目的にあった人材を常駐させることが可能です。
IT業界では突発的に人手がいることもありますが、その都度正社員登用することは現実的ではありません…。
必要な時に外部リソースを確保でき、適当な人物をアサインできることは大きな強みとなります。
・教育や研修にかかるコストを削減できる
自社でエンジニアを育成する時間やリソースに余裕のない企業でも、SES契約を通じてエンジニアを確保することで、エンジニアを育成するコストを削減することができます。
SESで派遣された人材は教育や研修の必要がほとんどなく、円滑にプロジェクトを進めることができるので、企業にとってもメリットは大きいです。
・常駐案件の発注がしやすい
請負契約とは異なり、SES契約はエンジニアのリソースを短期間で比較的容易に確保することが可能なので、常駐案件の発注がしやすいこともクライアントにとってSES契約を結ぶメリットとなります。
ただし、派遣とは異なり、雇用側つまりSES企業側に指揮命令権が存在します。その点をクリアできるのであれば、クライアントにとってSES契約は有力な選択肢となるでしょう。
【エンジニア側】SESの3つのメリット
SES契約において、エンジニア側には主に3つのメリットがあります。
・スキルアップできる ・様々な人と出会える ・色々なプロジェクトに関われる |
SES契約で客先に常駐することで、自社だけでは体験できない「様々な人との出会い」や「色んなプロジェクトに関わる」ことができます。またそういった経験を積むことで自らのスキルアップも望めますね!その3つのメリットについて紹介します。
・スキルアップできる
SESを通して様々な案件に関わることで、自分自身のスキルアップもできるため、経験を積むには最適の場所です。各企業やそこで働いている人々の違いによって考え方や文化も異なるため、今まで知らなかった知識やノウハウを学ぶことができます。幅広い体験をし、様々な技術に触れることで自分自身のスキルアップを目指しましょう。
・様々な人と出会える
新しい技術が学べるだけではなく、高度な技術や知識を持ったエンジニアと仕事をすることは刺激になり、自信を高めることにもつながります。さまざまな人との関わりを持つことで仕事へのモチベーションにもつながるかもしれません。
また将来のキャリアを考えたときに、業務を通してコネクションが形成できることはエンジニアにとっても大きなメリットです。
・色々なプロジェクトに関われる
さまざまなプロジェクトに関わることは、未経験者はもちろん、すでに経験を持ったエンジニアにとっても沢山のことを学べる機会になります。常駐先の企業や案件は多種多様…IT知識を増やしたり、色々な経験を積むことができるので、エンジニアとして成長したい方は、SES企業を検討することも良いでしょう。
【クライアント側】SESの2つのデメリット
一方SES契約において、クライアント側は2つのデメリット(注意すべき点)があります。
・SES契約のエンジニアに指示は出せない ・成果物を保証する契約形態ではない |
契約の内容や他の契約との違いをしっかりと理解していないと、思うように事を進めることができません。2つのデメリット(注意すべき点)について簡単に解説します。
・SES契約のエンジニアに指示は出せない
SES契約のエンジニアには、現場の判断で指示をしたり、技術的な指導を行うことができません。これは「偽装請負」という違法行為に該当することがあるため、行為が公になれば企業がペナルティを負うこともあるからです。具体的には厚生労働省が公開しているガイドラインを確認しましょう。
ガイドラインはこちら
・成果物を保証する契約形態ではない
またSES契約とはあくまで「労働時間に対する報酬を支払う」契約であり、成果物に対して対するものではありません。よってクライアント側が求める成果が得られない状態もあり得ます。契約内容や請負契約との違いをしっかりと認識し、理解しておきましょう。
【エンジニア側】SESの3つのデメリット
エンジニア側には主に3つのデメリットが考えられます。
・気軽に相談しづらい ・会社都合でプロジェクトを変更される場合もある ・仕事のモチベーションが保ちづらい |
様々な現場で働ける面はメリットであり、時としてデメリットになることもあります。「思っていた働き方と違う」とならないよう、下記で溶解する3つのデメリットをしっかり理解しましょう。
・気軽に相談しづらい
仕事をする上で人間関係は重要なポイントの一つです。常駐先で一緒に仕事をする人と相性が合わない場合は、仕事を行う上でのモチベーションが下がってしまう恐れもあります。また自社の社員がいない現場の場合には、人によっては気軽に相談しづらいことも少なからずあるかもしれません。
・会社都合でプロジェクトを変更される場合もある
色々な現場で働けるということは、会社の都合でプロジェクトの変更が余儀なくされることがあります。最初から最後までプロジェクトをやり遂げたいと考える人も多いかと思いますが、それが叶わなかったということもしばしば起こります。会社に所属している以上仕方がない場合はありますが、自分で仕事を選べないというのはデメリットの一つと言えます。
・仕事のモチベーションが保ちづらい
SESはクライアントの企業に常駐して働くことが基本となるので、自社に対して帰属意識が薄れがち…。また気軽に相談できない、会社都合でプロジェクトを変更されるといったことはストレスに感じる人も少なくありません。常こういった状態が続いてしまうと仕事に対するモチベーションを保つことが難しくなるでしょう。
SESについて理解したら…
IT業界ではよく聞くけど説明までは上手くできない…SESについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
SES契約を活用することで、エンジニアの教育コストの削減や、自社にあったエンジニアに開発を進めてもらうことができるので、円滑にプロジェクトを進めることにもつながります。それぞれの契約の特徴を理解し、自社にあった方法を検討してみてください。
またエンジニアの方は自分を成長させるチャンスとなるかもしれません。SES契約における働き方についても理解した上で、自分に合っているか検討してみると良いのではないでしょうか。