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22.02.25

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ニアショア開発ってなに?メリットとデメリットも含めてわかりやすく解説。

システムやアプリを開発する際、選択肢として挙げられるのが「ニアショア開発」ですね。IT人材が不足している現状では、検討されている企業も多いのではないでしょうか。

今回は「ニアショア開発」とは何か、「ニアショア開発」を検討する上で必要なメリットとデメリットを紹介します。

 ニアショア開発とは?

ニアショアは英語表記で「Near Shore」となり、「近くの海岸」「そばにある海岸」といったような意味があります。ITにおけるニアショア開発とは、システムやソフトウェア、アプリなどの開発や運用保守の業務を、国内の地方にある企業に開発を委託することを言います。

例えば、首都圏の企業で「開発にあまりコストをかけられない」「IT人材が不足している」等の課題がある場合、北海道や九州等の地方の企業に委託する、といった流れになります。

 ニアショアとオフショアはどう違うの?

「ニアショア開発」を調べていくと必ずといって良いほど「オフショア開発」も出てくるかと思います。この似たような言葉には、どのような違いがあるのでしょうか。

ニアショア開発とオフショア開発の違いは、開発の委託先が「国内」か「海外」といった部分にあります。

ニアショア開発は首都圏の企業が国内の地方都市に委託するのに対して、オフショア開発は国内の企業が海外の企業に委託することを言います。違いはこのように比較すると簡単に思えますが、ニアショア開発という国内の地方都市だからこそできること、オフショア開発で海外が委託先だからこそできることがあります。

別記事でそれぞれの特徴について解説していますので、必要な方は読んでみてください。
オフショアとニアショアとオンショア。似ている言葉の違いとは…?

今回は「ニアショア開発」の3つのメリットとデメリットがを紹介します。

 ニアショア開発の3つのメリット

国内の地方都市で開発を進める「ニアショア開発」ですが、大きく3つのメリットがあります。どのようなメリットがあるのか、一つずつ確認していきましょう。

・首都圏に比べると開発コストを削減できる
・災害リスクの軽減に繋がる
・コミュニケーションが取りやすい

 

・首都圏に比べると開発コストを削減できる

全国のエンジニアの年収を比較すると、首都圏に比べると北海道や九州など地方都市は年収が低い傾向にあります。さらに地方だと土地代などの設備費も低いため、ニアショア開発を活用することで首都圏より開発コストを削減することができます。

・災害リスクの軽減に繋がる

地震や台風などの大きな災害が発生した場合、停電や機材が壊れてしまい、業務が止まってしまうというリスクがあります。このような様々な災害リスクの対策として、地方都市に業務の一部・全部を委託することで事業の継続を果たすことができます。

自然災害の多い日本ではニアショア開発を活用し、物理的に開発する場所を分けるという対策をすることで、災害のリスクを軽減するための対策をとる企業が増えてきています。

・コミュニケーションが取りやすい

ニアショア開発で委託先が国内になるため言葉や文化間でのギャップ、時差による不便さを感じることはほとんどありません。また、国内で流行しているデザインに関しても、細かく打ち合わせをしなくても伝えることが容易にできるというメリットもあります。

海外の国に開発を依頼する「オフショア開発」でのように、コミュニケーションが取りずらいということは少なくなるため、「ニアショア開発」はコミュニケーション面で心配することがあまりないというのはメリットの一つです。

 ニアショア開発の3つのデメリット

ここまで「ニアショア開発」におけるメリットを紹介してきました。それでは、ニアショア開発にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。デメリットについても3つ、解説していきます。

・大きなコスト削減が期待できない
・IT人材の確保が難しい
・再委託されることがある

 

 

・オフショア開発に比べるとコストが高い

メリットでも紹介したように、エンジニアの年収から比較するとやはり首都圏の年収よりも地方都市は年収が低い傾向にありますが、海外の人件費に安い国のオフショア開発ほどのコスト削減は見込めません。

例えば、ニアショア開発で注目されているベトナムでオフショア開発を行えば、人月費は日本のエンジニアと比べると平均単価は25%程度と、かなり低い人月費で開発をしていくことができます。そのため、よりコストを抑えていきたいと考えるのであれば、オフショア開発の方が向いているのかもしれません。

・IT人材の確保が難しい

近年IT業界の市場は急速に拡大をしています。経済産業省によって2030年にはIT人材が最大約79万人不足する可能性があるという発表も大きな話題となりました。自社内のIT人材の採用、ニアショア開発による外部に依頼をしての開発どちらも人材獲得のための競争率が上がっていると感じている方も多いのではないでしょうか。

このように、今後国内でのIT人材確保は年々難しくなることが予想されます。

・再委託されることがある

再委託とは、依頼を受けた案件をさらに外部の企業に委託することを言います。委託先の企業とは連絡などのやり取りは容易ですが、再委託の場合には再委託先の管理体制や業務の進行状況を管理することはできません。それにより、管理体制が崩れトラブルが発生する可能性があります。

ニアショア開発でこのようなトラブルを避けるためには、企業選定を行う際に実績やスキルレベルを確認することも重要となります。

開発方法は目的によって選ぶ

今回はニアショア開発を紹介しましたが、オフショア開発にも同様にメリットとデメリットがあります。オフショア開発のメリット・デメリットについては、こちらへ。
オフショア開発のメリットとデメリットを解説。失敗する前に…。

どちらの開発も上手く活用するには、開発の目的を明確にすることが大切になります。その目的が「IT人材の確保はしたいがコミュニケーションにコストはかけたくない」のであれば、「ニアショア開発」、「開発コストの大幅な削減」が目的であればオフショア開発の方が向いているでしょう。このように、開発の目的を明確にし、その目的に合った開発方法を選択することができれば、大きなメリットが期待できます。

開発の目的が明確になっているのであれば、目的にあった開発方法を活用してみてはいかがでしょうか。