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22.04.26

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オンショア開発って何?IT現場の言葉の意味を簡単に理解する!

オフショア開発は聞いたことがあるけどオンショア開発は聞いたことがない、という方も少なくないのではないでしょうか? 今回はそんな聞き慣れないオンショア開発に加え、類似した言葉であるオフショア開発、ニアショア開発との違いも含めて説明していきます。

オンショア開発って何?

オンショア開発とは開発業務の全てを自社内で行う開発手法です。 自社内で開発が完結するため、何か問題が発生した際にも迅速にコミュニケーションが取りやすく、スピード感をもった開発が可能となります。

後述する別の開発手法と異なり、同一の言語、価値観、文化で開発を行うことができるため、コミュニケーションコスト(相手に必要な情報や意思を伝えるために必要とする、労力や手間、時間など)を大きく抑えることができます。 そのため、開発にリソースの多くを注ぐことができ、品質が担保しやすいのも特徴です。

オンショア以外の開発

開発手法には、オンショア開発のほかにニアショア開発、オフショア開発といったものが存在します。どの手法もメリット、デメリットがあるため、目的や状況に合わせてどの開発手法を選択するかが大切になってきます。 それぞれの開発手法がどのようなものなのか、またどのような違いがあるのか見ていきましょう。

ニアショア開発

ニアショア開発とは開発業務を地方企業や物理的に距離が近い近隣の企業に委託する開発手法です。

開発拠点を分散させることで災害などで開発が完全に止まってしまうといったリスクを回避しやすく、また都心と比較しエンジニアにかかるコストを抑えることができます。

また、後述するオフショア開発との大きな違いとして、言語や価値観の違いにより発生するコミュニケーションコストが低いことが挙げられます。海外企業への委託と違い時差がなく、価値観や言語による大きな壁がないことは迅速な開発の一助となります。

一方、地方ではエンジニアの総数が少ないため、人材の確保委託先の選定が難しいといったデメリットがあります。社内ではリソースが足りないけれど、コミュニケーションコストを抑えて開発を行いたい場合などに適しています。

オフショア開発

オフショア開発とは開発業務を海外企業や海外の現地法人に委託する開発手法となります。

例えば、海外の専門的な知識を有する企業に委託することで、国内(あるいは社内)で知見の乏しい技術を用いて開発を行うことが可能になります。また、人件費などのコストが低い国の企業へ委託することによって、オンショア開発やニアショア開発よりもコストを抑えて開発を行うことも可能です。委託先を上手に選択することで、開発に関する選択肢を大きく増やすことができます。

デメリットとして、時差や文化、言語の違いによるコミュニケーションコストが高いことや、言語の壁によって細かいニュアンスを伝えることが難しく納品物の質を担保しづらいという点が挙げられます。

また、海外情勢によっては開発そのものが困難になる場合が出てきてしまうため、複合的に考えて委託先を決めなければいけません。オフショア開発は開発コストを抑えたい、専門的な知識が必要な技術を用いたい、といった場合に適しています。

オンショア開発のメリット・デメリット

ここまでオンショア開発の概要と、ニアショア開発やオフショア開発との違いを説明してきました。 それではここからオンショア開発のメリットとデメリットについて掘り下げて、より理解を深めていきましょう。

オンショア開発のメリット

オンショア開発には大きく3つのメリットがあります。それは「迅速な開発速度」「納品物の質の担保のしやすさ」「情報セキュリティリスクの少なさ」です。

・迅速な開発速度

オンショア開発は社内で開発を行うため、言語や文化の壁がなく、コミュニケーションを円滑に進めることができます。また、進捗確認が開発プロセスを自社内でコントロールできるためトラブルが発生した際に対応や課題解決などスピード感を持って行うことができます。

・納品物の質の担保のしやすさ

オンショア開発では、前述した通り、開発以外にかかるコミュニケーションコストを抑えることができ、さらには言語や文化の違いにより発生しやすい認識齟齬が生じづらいのが特徴です。 メインとなる開発にリソースを注ぎやすいため、納品物の質を担保しやすいです。

・情報セキュリティリスクの少なさ

オフショア開発やニアショア開発と違い外部企業への委託を行わないため、必要な資料や情報を社内間の移動のみで対応できます。そのため、情報漏洩のリスクを最小限にでき、情報セキュリティリスク抑えられます。 情報セキュリティへの関心が高まっている昨今において、有益な開発手法と言えるでしょう。

オンショア開発のデメリット

オンショア開発のデメリットとしてあげられるのは大きく分けて2つあります。エンジニアに対する費用や人材育成にかかる費用といった「開発コスト」と「人材リソース」の問題です。

・開発コスト

オフショア開発でベトナムやミャンマーなどのエンジニアの賃金が低い国の企業へ委託して開発する場合や、ニアショア開発で地方企業へ委託する場合に比べ、国内のエンジニアの報酬は高くなってしまうため、コストが多くかかってしまいます。

また、開発を行う水準に達するまでの人材育成のコストが発生してしまいます。育成した人材が転職、独立してしまう可能性もあるため、育成にかかったコストを回収できない場合もあるかもしれません。

・人材リソース

社内に開発可能な人材がいない、人材はいるがスキルが開発に必要な水準に達していないといった人材に関する問題もあります。社内だけで必要な人材を確保することが難しく、開発自体が困難であることも少なくありません。

目的にあった開発手法を選択しましょう

これまでみてきた通り、どの開発手法もメリットとデメリットが存在するため、一概にどの開発手法が優れているといったことはありません。 知見のない技術でオンショア開発を行うことで、社内に知見をためることも可能ですし、一度完成したシステムをオフショア開発でコストを抑えて保守することも可能でしょう。 また、テレワークの普及に伴い、柔軟に働く場所を変えることもできるため、ニアショア開発で委託できるエンジニアの枠が拡大していくことも考えられます。

目的にあった開発手法を選択することで、システム開発の幅は大きく広がっていきます。 現状の課題をきちんと把握し、目的をしっかり見据え一番適した開発手法を選択しましょう。